盛り上がってきた大相撲。勝負だ!初戦は譲れない。

大の里「横綱初の優勝を」
大相撲秋場所は14日に東京・両国国技館で幕を開ける。ともに横綱初制覇を目指す
大の里と豊昇龍、大関昇進に挑む関脇若隆景ら話題。15日間のチケットは既に完売。
昇進2場所目の大の里は13日、「細かいことを考えず、横綱として初めての優勝を
できるようにしっかりと頑張る」と話した。
11勝止まりだった先場所からの巻き返しはなるか。
若隆景は都内の荒汐部屋で最終調整した。昇進ムードを高めたいところだ。
東京開催場所で東西の両横綱が初日から出場するのは2020年7月場所の白鵬、鶴竜
以来で5年ぶりとなる。

尊富士と遠藤が休場、142年続く青森出身幕内力士途絶える危機。
遠藤は12年守る関取から転落も。
「大相撲秋場所」(14日初日、両国国技館)
日本相撲協会は12日、取組編成会議を行い、初日と2日目の取組を決めた。
横綱2場所目で初めて東に座った大の里(二所ノ関)は初日に新小結安青錦(安冶川)
2日目には先場所で昭和以降最年長となる金星を獲った平幕で40歳の玉鷲(片男波)
と対戦する。
西横綱の豊昇龍(立浪)は初日に玉鷲、2日目に小結高安(田子ノ浦)との対戦が組まれた。
夏場所で12勝、名古屋場所で10勝、直近2場所で22勝を挙げ、
大関取りに挑む関脇若隆景(荒汐)は初日に伯桜鵬(伊勢ケ浜)
2日目に王鵬(大嶽)と対戦する。大関琴桜(佐渡ケ嶽)は初日に阿炎(錣山)
2日目に伯桜鵬と対戦する。
十両以上の休場は東前頭12枚目の尊富士(伊勢ケ浜)と東十両3枚目の遠藤(追手風)。
尊富士は全休なら、十両への番付降下は必至。1883年から続く、青森出身幕内力士が
途絶える可能性が出てきた。
他の青森出身関取では西十両3枚目の錦富士、東十両12枚目の宝富士がいる。
尊富士は「右上腕二頭筋腱(けん)断裂で2カ月の安静加療必要」の診断書を提出した。
名古屋場所13日目から休場。夏巡業も全休だった。
師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱照ノ富士)は8月末に尊富士が右腕の手術を受けたことを明かし
「万全に治したい」と、無理はさせない意向を示していた。
また、34歳の遠藤は全休なら幕下への降下が必至。
日大から2013年春場所で幕下10枚目格付け出しデビューし、同年名古屋場所で新十両。
以降、今場所まで73場所連続で関取の地位を守ってきた。
遠藤は「右膝前十字靱帯損傷、内側側副靱帯損傷、内側半月板損傷、外側半月板損傷、変形性膝関節症」で7月10日に手術を受け、名古屋場所を全休。8月に協会の健康診断を受けた際、右膝の状態について「リハビリを頑張っています」と話していた。
右腕手術明けの尊富士、秋場所出場ならまさかの大勝ちも!?
「60番くらい相撲を…」兄弟子も助けられた復調への好材料は
秋場所出場が危ぶまれている尊富士
7月に行われた大相撲名古屋場所では、横綱・豊昇龍を筆頭に幕内では7名の休場者が出た。
9月14日に初日を迎える秋場所では逆襲が期待されるところだが、平幕・尊富士については出場可否の見通しが不透明になっている。
尊富士は3勝2敗で迎えた名古屋場所6日目の取組で相手を寄り切った際、右腕を持っていかれる形で自らも土俵下へ転落したことで同箇所を負傷。7日目以降は2連敗、1勝、3連敗と明らかに調子を落としていた中、13日目に日本相撲協会に「右上腕二頭筋腱断裂で2カ月間の安静加療が必要」との診断書を提出し休場となった。
場所後の8月に行われた夏巡業も全休していたが、各報道によるとこの間に右腕の手術を受けていたといい、秋場所の出場については流動的な状況だという。
故障により稽古量や実戦感覚が低下していることを考えると、仮に出場したとしても苦戦を強いられるように思われる。ただ、尊富士が所属する伊勢ケ濱部屋の特色を考えると、いい意味で予想を裏切るような相撲を見せてくれる可能性もゼロではないかもしれない。
兄弟子は故障中の指導でレベルアップ
伊勢ケ濱部屋は先代(元横綱・旭富士、現宮城野親方)が長らく師匠を務めた後、2025年6月から当代(元横綱・照ノ富士)が師匠の座を継承し、先代ら3名の部屋付き親方と共に指導にあたっている。秋場所時点で力士数(33名)、関取数(7名、幕内5名・十両2名)ともに最多を誇る角界屈指の名門で、所属力士たちは日々激しい稽古と競争の中で鍛錬を重ねている。
先代は膵炎、当代は両膝故障や糖尿病などに長らく苦しめられたが、それを乗り越えて横綱の地位まで上り詰めた。こうした経緯があるからか、故障者に対しても簡単に休ませたりはせず、今できることに可能な限り取り組ませてレベルアップにつなげている。
尊富士の兄弟子である十両・錦富士も、そんな部屋のスタンスに助けられた力士の一人だ。
錦富士は2024年2月17日放送の『ジャンクSPORTS』(フジテレビ系)に出演した際、左肘の故障を巡る先代親方とのやり取りを明かしている。錦富士は過去に3度左肘手術を経験しているが、術後に参加したある年の大阪合宿での稽古中、先代に「稽古ができないので今日は抜けてもいいですか?」と申し出。この時点で既に申し合いは20番ほどこなしていたというが、先代からは逆に「右腕はどうしたんだ?」と問われたという。 錦富士が右腕に問題はない旨を返答すると、先代は、
「じゃあまだいけるな」と続行を指示。この日は前出の20番に加え「60番くらい右腕だけで相撲を取らされた」そうだが、本人は「その時はちょっと厳しいなと思ったけど、今は相撲のバリエーションも増えて感謝しています」と振り返っている。

新小結・安青錦 最速三役 “さらなる高みへ”
この大相撲秋場所で、小結に昇進したウクライナ出身の安青錦。
初土俵から所要12場所と最速で三役昇進を果たした21歳は、師匠の教えやおかみの支えを受けて、一気に番付を駆け上がった。
安青錦はロシアによるウクライナへの軍事侵攻から逃れて、相撲を続けるため、3年前の4月に来日し、友人のいる関西大で稽古を積み、その後、安治川部屋に入門した。
おととしの秋場所で初土俵を踏み、この年の九州場所で序ノ口、続く初場所では序二段で優勝するなど順調に番付を挙げた。
初場所で12勝3敗の好成績を残し、続く春場所で所要9場所での新入幕を果たした。
年6場所制が定着した昭和33年以降では、幕下付け出しを除くと歴代1位に並ぶスピード昇進。
そして新入幕から2場所連続で11勝4敗の好成績で敢闘賞を獲得し、幕内でも強さを見せた。
初めて上位総当たりとなる前頭筆頭で迎えた先場所は3日目に横綱・豊昇龍に勝って初土俵から12場所と最速で初金星を挙げるなど、千秋楽まで優勝争いに加わり、11勝を挙げて三役昇進をつかんだ。初土俵から所要12場所での三役昇進は、昭和33年以降、幕下付け出しを除いて元横綱・朝青龍などを抜き最速だった。
数々のスピード記録をうち立ててきた安青錦の最大の持ち味は低い姿勢を保ったまま攻める相撲だ。低い姿勢の相撲に加え、相手の内ももを手で払って体をひねって倒す「内無双」や相手のひざか太ももを片手で外側から抱え込んで引き、もう一方の手で相手を押し込み、体を預けて倒す「渡し込み」など多彩な技も安青錦の強み。
おかみの支え
「自分は外国出身力士なので、部屋に入れてくれたこと、いろいろ教えてもらったりとかして、すごく感謝している。恩返しできるのは土俵の上なので親方とおかみさんにいっぱい喜んでもらえるように頑張りたい」
おかみ 杉野森絵莉さん
「この2年ですごく目覚ましい成長をしてくれていると思う。頑張っているのでできるかぎりのサポートをしたい。場所が終わるたびに新しい景色を見させてもらっているのでありがたい」
秋場所に向けても順調に稽古を重ねた安青錦。
最速で三役に駆け上がり、立ち止まることなく、目指すのはさらなる高み。
最速で出世階段を駆け上がった力士たち。
日本の国技のために、ぜひとも頑張ってほしい。

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